宮本製粉株式会社
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創業136年そば粉の製粉・販売
へぎそばの作り方
普通の蕎麦は、蕎麦粉とつなぎ粉(小麦粉)を混ぜ合わせて麺にします。
へぎそばは、つなぎ粉の代わりにふのりを使用して作ります。
蕎麦粉 8割+ふのり 2割ぐらいが美味しいへぎそばの割合です。
ふのりを入れれば入れるほど、ふのりの味・蕎麦のコシ・つるつるとした食感が強く
なり、ふのりの美味しさが増します。
しかし原材料費も比較して高くなります。
今回の実験の趣旨
へぎそばを作る際にふのりを混ぜ合わせるのだが、銅なべで化学変化を起こさないと
綺麗な緑色のかかった蕎麦にはならない。
作るのにはどれくらいの時間が必要なのか、また、簡単に出来る方法はないのかを
探りながらへぎそばが出来るまで実験してみたいと思う。
へぎそばを作ろうと考えている方の次につながる自己流レシピが出来上がると幸いである。
作り方1(実験例)
準備したもの

蕎麦粉 400g

銅なべ&しゃもじ

乾燥ふのり 30g

※銅なべは合羽橋で購入した物だが、価格は普通のなべの3倍~4倍の価格になる。
また、銅なべの内側は錫(Sn)が張ってある為すぐに使用する場合は、注文する際に
錫を張ってない物を頼むと良い。
某デパートで購入した乾燥ふのりを銅なべでどれくらい煮込む(化学反応させる)と
使える状態になるか、変化を見る為に煮込んでみる。
購入した乾燥ふのりをそのまま使用し1時間かけて弱火でゆっくりと煮込んでみる。

煮込み始めの状態

時間が経過し、だんだんと緑色に変化

全体が緑色に変化

乾燥ふのりを1時間煮込んだ
繊維質が残った状態

繊維質の部分は最後まで溶けることなく多く残り、全部煮込むまではいかなかった。
繊維質が残ったままの状態でへぎそばを作ってみる。
1時間煮込んで出来上がったふのりは約370gになりました。
水を足しながら、徐々に煮込んだ為に出来上がりが12倍になった。

※今回は実験の為に、煮込んでどれくらいの水を必要なのかわからない為に水を足し
ながら煮込んだ。
その為必ずしも出来上がりのふのりのような量が一定して取れない。
商売で使用するには、いつも使用しているコンロの火加減と水の量を測らないといつも
同じものは出来ない。
各自のマニュアル作りが必要です。

一番粉系のそば粉8割にふのりを2割入れて作る。

そば粉とふのりを混ぜ合わせ

そば玉にした状態
ぽちぽちした繊維質が目立つ

そば粉とふのり混ぜ合わせ
ロール麺機で麺にした状態

ふのりだけでは加水量が足りない為に、そばの様子を見ながら水を足していく。 出来上がったふのりのみで加水量が調整出来る ようになれると一番良いのかもしれない。


へぎそば試食
つるつるとした食感と多少磯の香りがした。
味は多少ふのりの味がする。
もうちょっとふのりの味が濃い方が良い。
へぎそば独特の食感の良さが出ていい感じ。
溶けずに残った繊維質の部分はそばでいう 星のようなつぶつぶとしたアクセントが付き、 そばっぽくなりふのりを使用していますよ、と いう見た目にも面白いそばになります。
商品としての問題は、乾燥ふのりを1時間煮込 んでやっと出来上がった点と、繊維質の部分が 残った物をそばにした場合、有名な新潟県の そばは麺につぶつぶがない麺体をしているので、 それが受け入れて貰えるか?という事が出て きます。

茹で上がったへぎそば

作り方2(実験例)
準備したもの

蕎麦粉 240g

作り方1で煮込んだふのり 270g

こし機とこし布

作り方1で煮込んだふのりを新潟のへぎそばのような綺麗な緑色の麺体にする為、こし布を使用し繊維質部分を取り除きへぎそばを作り比較してみる。
こし布を使用すると、つぶつぶ(繊維質部分)は上に残り、綺麗な緑色のふのりが出来上がった。
布の粗さや出来上がったふのりの水分含有量によってこされるふのりの量は変わってきます。
それによって味の濃い物などを作ることが出来ると思われます。

繊維質を取る為に作り方1のふのりをこす作業


そば粉とふのりを混ぜ合わせ
そば玉にした状態

へぎそば試食
作り方1のへぎそばに比べると繊維質の無い一般的なへぎそばが出来上がった。
しかし綺麗な麺体になったが、こした為に味・風味・香りが弱くなった。
また色合いも作り方1のような緑色が出ない。
へぎそば独特の食感の良さは変わらない。

比較すると作り方1は味は出るがつぶつぶになる、作り方2は綺麗な緑色の麺が出来上がるが味の弱いそばになる。

茹で上がったへぎそば

作り方3(実験例)
準備したもの

蕎麦粉 240g

粉末ふのり 30g

銅なべ&しゃもじ

作り方1,2の作り方では、準備時間の手間がかかりすぎる為に、 粉末ふのりでの代用が出来るかどうかテストしてみました。

粉末ふのり煮始め

粉末ふのりが徐々に緑色に変化


完全に緑色に変化した粉末ふのり

約10分くらいで緑色に変化し、使えるような状態になった。
しかし粉末ふのりを扱う注意点は、水に溶かす際に粉がダマになりやすく、 ダマにならない様に水に上手に溶かないと今回のようにダマになったまま出来上がってしまう。
ジューサーなどを使用すると綺麗に溶かれた状態に出来上がりそうである。

そば粉とふのりを混ぜ合わせ
そば玉にした状態

ダマになったままの状態でのふのりを使用したせいか麺体にブツブツとした点が出てしまった。
粉末ではないふのりを煮た時と比べると麺体の色合いはくすんだ色になった。
緑というよりはどちらかというとねずみ色掛かって
いるような色合いになった。

へぎそば試食
乾燥ふのりとは若干違う味・香りが出ました。
乾燥ふのりを煮込んだ物の方がへぎそばとしての美味しさが出ているように思われます。
色合いは乾燥ふのりを煮込んだ物の方が、綺麗な緑色が出ます。

気になっていたダマは麺にして茹で上げて食べると気になりませんでしたが、粉っぽさはやはり出ていました。

茹で上がったへぎそば

まとめ
綺麗な色を出す場合は、乾燥ふのりを使用した方が良いと思う。
しかし、乾燥ふのりは市販のまま使用すると扱いにくい。
扱いやすくするために考えられる事は、ミキサーなどで一度細かく粉末状にしたものを煮込むとロスも少なくなり、 煮込み時間の短縮も出来るようになると思われます。
また、今回は実験ということで乾燥ふのりを選別しなかったが、他の乾燥ふのりを使用した 場合の違いが気になる。

粉末ふのりは煮込む時間が早い為に扱いやすいという点があります。
粉末ふのりを煮込む量の調整により、どの程度の味に仕上げるかという試作でもっと良い 方向に向かう可能性があります。

乾燥ふのりと粉末ふのりどちらを使用するにしろ、自己流レシピによって完成させていくと ものすごく美味しい商品が出てくると思われます。
他に、へぎそばと謳わずに自己のそば店独特な食感と喉越しを出す為に少量混ぜ込んで他店 との差別化を図るやり方も考えられました。